描きやすさを論じる前に、まずは薄塗りと厚塗りの定義といいますか、ここでのイメージを説明しますね。
サンプル薄塗り↓ 線画に色を塗ったもの。
サンプル厚塗り↓
→厚塗り 線画は下絵として使うけれど、最終的には主線は消えた状態で仕上がる。
この「線画の有無」がポイントで、
結論から述べれば、「線画がある分、薄塗りが塗りやすいよ!」ということなのですが、
ちょいと解説申しますと…。
薄塗り→色が線からはみ出したり、ぼかしたりしてきっちり塗られていなくても、描画線がしっかり描かれてあれば、それで形(描かれている対象)がわかる。
そのため、直感的・感覚的な塗り方ができる。
厚塗り→描画線を際立たせない分、着色時に、形を整えながら描く必要がある。
その為、立体を意識することが必要。具体的には、「その絵の中の世界では、光(光源)がどの方向・角度から差しているのか」をまず設定して、陰影を考えて描く。
「立体や光源」という意識を育てねばならない分、難易度が上がる。
塗るというよりは「描く」感覚。
つまり、
「陰(影)のつき方がようわからん!」という場合は、描画線を頼りに、雰囲気や直感で着色できる「薄塗り」から進めるのが良かろうとおもいます。
その際、マーカーなどで、クッキリハッキリした線画の方が、着色した時に映えますね。
ちなみに、ふんわり淡い作風のものは、色鉛筆などを使うと良いですが、着色する色より一段抑えた暗めの色を選ぶと、線だけ浮かずに収まります。
(例 着色:黄色、線画:黄土色 というように。その場合は線の色を組み合わせて部位によって線色を使い分けると良いですね☆)
では、
描画線の話ではなく、着色する際にどんな画材を使うか、といえば
薄塗り (下に塗ったものが透けて見える画材を使う)
→透明水彩絵の具
色鉛筆・パステル(あまり重ねて塗らない場合)
カラーインク
コピック
など。
ワンポイント
※透明系の画材は、塗れば塗るほど「暗く、濃く」なりますので、明るい部位は塗り重ねすぎないで、用紙の白を活かすようにします。
厚塗り (下に塗ったものがあまり透けて見えないものを選ぶ)
ポスターカラー
アクリル絵の具
油絵の具
など。
ワンポイント
上から色を重ねても透けないので、より暗い色やより明るい色を自由に重ねてゆけます。
(ただし、下に塗った色が乾いていないと混じります。濃い濃度で重ね過ぎるとヒビ割れます。重ねる場合は、ベースよりやや薄い濃度で描画しましょう。)
デジタルの場合は、アナログをイメージして、それに合わせてゆくように、ブラシツールの絵の具の設定をしてゆきます。
ポイントは不透明度や量の調整。
透明水彩の設定→不透明度を20~40%程度に。
(当たり前だけど、塗り重ねるごとに濃くなるので、20%で、五回塗れば100%ですから、それ以上塗り重ねても濃淡がつきません。つまり、アッサリ、ザックリ色をのせる方が濃淡がついてキレイに仕上がります。
不透明水彩の設定→透明度を80%~100%
透明水彩でも、不透明水彩でも、デジタルであれば、レイヤー機能が使えるでしょうから、レイヤーを上に追加して、濃淡を加えることができます。
(際限なくなりがちなので、絵のベース色を全体的にのせてから、バランスをとる方が手早くメリハリつけ易いですね。)
以上、薄塗り、厚塗りについてザックリまとめてみました。