小説やシナリオのコンクールなどだと、要項に本文以外にプロットを付けるようにと書かれていることがあります。
プロットはマンガを作る時も必要なものですが、マンガの場合は完成原稿のみ送付でプロット自体を求められることがないので、馴染みがない人もいるかもしれません。
「あらすじ」はテレビ番組や映画の紹介でお馴染みですね。
あらすじとプロットは似てますが、少し違います。
あらすじの方が書いて字のごとく、粗いんです。内容が。ザックリなんです。
↓↓↓あらすじ↓↓↓
例えば、「運命の星の元に生まれた少年ショウは、幼少期に村と両親を隣国の独裁の王さまキングに滅ぼされる。ショウは類い希な戦闘能力をもつ青年へと成長し、仲間と共にキング討伐に向かうのだった」
‥で、
プロットはあらすじよりも具体的なのです。
同じく文章化されているものですが、「あらすじ」には書かれていない細部までしっかり設定されていることが必要になります。
例えば、あらすじでは「運命の星」とやらが何なのか、具体的に書かれていません。
宇宙に輝く星なのか、占術で言うところの象徴的なものなのか、その星の元に生まれるとどういう意味や効果があるのか、それらを説明するエピソードが必要です。
(同じ理屈で、隣国の独裁の王様がどんな人物で、どうして攻めてきたのかや、その時の様子、ショウの両親について、ショウの「類い希な戦闘能力ってなんやねん?」などなどなど、具体的なことが書かれていることが必要です。)
そして、物語の構成もできている状態です。
それは、物語の中の世界の時間の流れどおりに物語が進むわけではありません。
ドラマティックに盛り上がるように、冒頭部分にクライマックス直前のシーンを入れたり、回想があったりと時系列をばらして、より面白く見せる構成になっているはずです。
かといって、シナリオや小説くらいまで具体的なセリフや動作の描写があるものでもありません。
プロットは物語の流れ、エピソードを具体的に「ネタバレ」状態で要点を説明したもの、です。
ですので、物語を作る時は、
・企画
↓
・あらすじ
↓
・登場人物(キャラクター作成)
↓
・物語の中の世界では何が起こっているのか(出来事)
↓
・より盛り上がる構成に
↓
・上記をまとめてプロットの形へ
という工程になります。
(同時にバババババっと物語が降りてきたぜ!という天才肌な方はこの工程をいっぺんにこなしてしまうのかもしれませんが、そうでないなら一つ一つ練り上げてゆくことが必要ですね。)
マンガはプロットから、セリフ、モノローグ、キャラクターの動作を絵でわかるよう、「ネーム」に入って行きます。
ネームについては別エントリーで。
今回は、あらすじとプロットの違いについてでした 〜!